
GSのオイルポンプの締め具合がどんなものか、クランクケースのサンププレートを外したところ、なにやら文字が彫ってある。これは前々オーナーの名前で、恐らく2003年にレストアした記念に残したものなんだろう。EXに入っていたプッシュロッドに「IN」と印が付けられていた事には混乱させられたが、これを見つけた時、人と人との繋がり、何とも表現し難いが温もりに近いものを感じた。「所有」という言葉ではなくて、この車両を一時的に「借りて」いるような。それが次に繋がって行く事を望むような広がり。前々オーナーに手紙をだして見ようかと思う。「貴方が綺麗に仕上げたGSは元気に走ってますよ」、と。ちなみにオイルポンプのボルトにはきちんとワイヤリングがしてありホッと。5千回転を超えて引っ張っていくと、6千回転、それ以上への到達が速い。自ら上昇していくような不思議な感覚を味わった。周りの車にすぐに追いつく、のではなくて、先にあるものが近くに「寄ってくる」ような。

ここ何ヶ月もGold Starの事で頭が一杯だったがようやくひと段落。これまで、ひたすら乗り倒されていたトライアンフを労おうとヘッドの掃除。渡英後一ヶ月で手に入れて以来、色んな事を教えてくれた大事な愛車だとしみじみ感じる。掃除の結果は、ノッキングが減ったような気もするが、精神的に「掃除した」という満足が一番か??オーバーサイズのピストンが入っていた事も分かったし、次を考える良い機会。そんな訳で、街中でもちょっと余計に回して楽しむ今日この頃。加速感が良く、速いなーと感心。
ロンドンは天気も良く、日も長くて最高の季節。街には背の高い木々が多く、その中を突っ切るだけで幸せ。先日、信号待ちで一緒になったモダン・トライアンンフ乗りと会話を交わした時の事。「古いバイクは壊れる。だけど、そういう事も含めて付き合いを深めていくんだよな。」という話になった際、彼が「Relationship(関係)」という単語を使った。その一言が自分にとって求めていた一言であり、そして自分では見つける事が出来ていなかった一言。友人TTの座右の銘、「我以外皆我師也」を感じた瞬間。

全てのRelationshipに感謝し、深めていく30代を目標に。