NORGOLDが大好きだ。ノートンのフェザーベッドと、ゴルディのエンジンの組み合わせ。良いとこどり。昔、雑誌クラブマンでオレンジタンクのノーゴールドの特集に衝撃を受け、食い入る様にみた。そして2000年の正月早々、福岡のALDGATE・平井氏が所有するNORGOLDに少し乗せてもらった事も思い出す。右チェンジ、さらに1アップ、3ダウンのギアチェンジにかなり混乱した数分、いや1分ほどの事だったが、あの感動は忘れない。前日に「明日、乗せてもらえるのだ。」という想いのせいで涙してしまった証拠写真を撮られた事も懐かしい。笑
このNORGOLDは長野県のOMEGA "GOLD" 13さんが所有する一台。フェザーベッドは赤のワイドライン、エンジンは彼自身の誕生年と同じである55年式のDB34だ。(DBはDBDと比べ、キャブ口径が若干小さい。1 1/2のサイズはDBDとなってかららしい。)
始動のキックはご本人も何故?というほどに軽い。というか、途中まで振り下ろしていくとゴロンゴロンとクランクが勝手に回ってくれる不思議な感覚だ。OMEGAさんのガレージには純正のDBDもあるのだが、それと比べてもキックの感触は明らかに違う。
さて、勝手な試乗インプレッションのはじまりはじまり。4月の上旬に四国で行われた「英車の集い」の際に、少し乗せていただいた。前日の遊び過ぎにより、タコメーター故障、そしてクラッチがややすべり気味になってしまったそうで、エンジンをかけてからクラッチワイヤーの調整をしていただいて、試乗へGO!
高知の奈半利。室戸岬へ真っ直ぐつながる道は快適そのもの。
片側1車線だが、早めの時間という事もあってか、ゆとりがあって交通量も少ない。
ノートンのギアボックスが組まれていて、勝手に1アップ、3ダウンだと勘違いしていたためワンアップして、2速でスタート。RRT2みたいだな・・・なんて勘違いしながら車道へ滑り込み、勢い良くシフトアップ!したつもりが、一気に1速へガツーンといれてしまった。加速するつもりが急減速してしまい、かなり焦ったが頭を1ダウン、3アップへ切り替える。よっこらしょ、とギアをしっかりと入れてやる。
「壊れるかも!?」と思うところから更にぶん回せ、というアドバイスを頂いていたので心の準備は出来ていたが、振動とは裏腹に、エンジンの唸りが一際大きくなるポイントが分かる。確かに、いきなりこの獰猛なうなりはびびる。「大丈夫かい、アナタ?」と声をかけたくなるが、そのサインが、どうやらこのエンジンの本気モード突入の合図なのだろう。
クロノメトリックのタコメーターは前日に飛ばしすぎた際にお陀仏したそうで、4千回転を示したかと思うと、突然ぐるっと一周回ったりしてびっくりさせる。
「壊れたら直せばいいんだよ。」という頼もしい言葉を頂いていたので、遠慮なく、アイドリングの無いGPキャブから混合気をたっぷりと送ってやる。速度計を見ている余裕はなかったが、速い。ポジションの所為もあるのかもしれないが早く走っている気にさせてくれるので楽しい。ただ、振動は想像以上にまろやかで、コーナーもすごくしんなりと曲がってくれる。
初めて乗る車両だと言うのに、こんなにも扱いやすい車両はこれまであっただろうか?という感じだ。人様のバイクに乗せていただくと、何かしらの癖を普段は当然感じるのに、このノーゴールドは非常にニュートラルだ。これがフェザーベッドの恩恵だとしたら、このフレームが現代のバイクフレームの基礎になったという話も納得。NORGOLD、大好きだ!!